ドナルド・マクミナミン氏の「共同的修復的実践」という四日間の講座に参加して参りました。ナラティブ・セラピーの考えや実践を「関係の修復」に応用することを実践していくために、ドナルドさんからその考え方、フィロソフィーを教わり、我々カウンセラーやファシリテーターがどの様なことを準備し実践してくのかについて考え、学び合う講座でした。
ドナルド・マクミナミンは「カウンセラーの皆様の日頃の取り組みに感謝しています」と言って毎日ご挨拶をされていましたが、日本で言う「カウンセラー」のイメージは、対人支援の中でも個人のカウンセリングをイメージさせますが、彼の活動領域、特に今回ご指導いただいた講座の内容は、まさに「グループ」へのカウンセリングでした。
「グループ」における関係の修復を行うことは、我々がライフワークで行っているところの「グループ支援」そのものでした。四日間で学んだことは、即実践できる内容ばかり。実践者として実践に結びつけていくことはもちろんのことなのですが、私には日頃、それを実践してくことを望む人々に私が教わったことを伝えていくという役割も果たしてきたので、されこれを日本でどの様に伝えていくかということがこれからの課題でもあるのかなと思っています。
私が行う「伝えていく」ということは、他所でよく垣間見る、この様なことを形ばかりで伝たえることではありません。それが誤解された伝わり方がなされると、形ばかり、スキルばかりの実践となり、効果が出ないばかりか、悲劇を生む結果となります。その様な伝え方ではなく、ナラティヴ・セラピーの考え方をしっかりと中心に据え、そこをしっかり押さえ、省くことなく、グループのダイナミックスにも寄与する関係の修復実践をどの様に組み立てていくことができるのかを考え、伝えていくことを行いたいと思っております。そのために今後もナラティヴ・セラピーを学んでいくことを改めて決意しました。
問題が問題であり、人が問題ではない。問題が問題である以上、誰も責めるこのなく、この問題にアプローチする。こらが、ナラティヴ・セラピーの問題に対する向き合い方です。企業の文脈でも同じことが言えるのではないでしょうか。この「共同的修復的実践」は、起こった問題は決してなかったことにはできないかもしれないけれど、そこにある問題が起こした関係の修復は可能であると私は思います。人間関係のトラブルは、人と人の争いではありません。その人たちの関係のトラブルなのです。セクション間の問題は、そこに関わる社員間の問題ではなく、セクション間の関係にトラブルの種があるのです。
是非、この「関係的修復的実践」が必要な方がいらっしゃいましたらご相談下さい。