東京女子医科大学病院のリーダーシップ研修に携わるようになり4年が経ちました。
例年、若手職員から中堅職員までのリーダーシップ研修を3つ担当させていただいております。
今年度から管理職である師長の皆さん向けの講座も開催することになり、第1回目の研修が、昨年12月と今年1月の全2回で開催されました。
管理職の皆さんは、今から遡ること10年以上前にリーダーシップ研修を受講されているのですが、その後の社会情勢や現在の研修とは異なる考え方のもとリーダーシップを学ぶ研修に参加されていたので、リーダーシップのバージョンアップを兼ね、更に今の職場を牽引する役割に役立つ学びの機会を得るために集まっていただきました。
研修では、現在若手から中堅の職員向けに「リーダーシップとは何なのか」ということと、「ナラティヴ・アプローチ」を活用するチームづくりや問題への向き合い方について体験から学び、更には、個人との会話の話をどのような姿勢で聞いていくことが求められているのかについて、参加された管理職の皆様と探求していく2日間となりました。
実際に開催して実感したのは、看護師でありながら管理職という立場特有の悩みがあるんだなということを改めて実感したことです。職員との会話は、悩みや愚痴、改善要求などの話であり、話の聞き方によっては、相談してきた職員の離職問題にも繋がる話もあり深刻な会話が多くを占めます。
どの様にその話を聞くのか、どのような姿勢でその話を聞くのか・・・聞き方や聞く姿勢についての学びは質疑応答での質問も多く、関心を寄せていただき、何か会話のヒントを得て送り出すことができたのではないかと思います。
課題や問題へどのように向き合うかの学びは、ヒエラルキーの組織構造にある病院という場所にも関わらず、チームメンバーが考えていることや意見を引き出す可能性について学びました。
2日間を通して「こうしなければならない」ということは一切お伝えすることはしませんでした。スキルの研修というよりは、可能性の生み出す会話のヒントを提示し、そのことについて参加された皆様と探究をしていく内容の研修を実施しました。
参加された皆さんそれぞれに自分の課題についての答えのヒントを持ち帰っていただくことができたのではないかと祈るばかりです。
印象的だったのは、10分しか話を聞くことができないほど忙しい・・・と言っていた師長さんに、10分も聞くことができたんですね・・・とお伝えしたところ、そっか10分は話を聞けたんだ・・・また今度続きを聞けばいい・・・となったことです。
本当に忙しい管理職の皆さんの役に立つことができればと願い、今回の研修に向かったのですが、充実の2日間となり、ほっと胸を撫で下ろしているところです。
東京女子医科大学病院看護部では、入職後、段階を経て、コミュニケーション研修、リーダーシップ研修を開催し、看護師はそれを受講することで共通のコミュニケーションへの姿勢、リーダーシップの考え方があり、合言葉となることで目指す方向性が定まっている組織だと思います。これは長年にわたり研修形態が一貫性を持ち持続していることにより実現できています。世の中は予測不能な事態が次々と起こり、働くメンバーは多様性に富み、働き方も多様になってきているにも関わらず、方向性が定まっているのは、研修により意識化された職員をたくさん輩出しているからこそだと思います。今後も微力ながら関わって参りたいと思う2日間でした。

